金属床義歯
金属床義歯について
高齢化に伴い、入れ歯の手術を行う人が増えてきました。一般的に入れ歯の土台はレジンと呼ばれるプラスッチクの素材が普及しています。手術が簡単だということもありますが、保険適用がされるというのも利用者の多い要因でしょう。しかし、このプラスッチク製の土台は実使用となると幾つかのトラブルが想定されます。
プラスッチクはその性質上どうしても強度が頼りないので、土台を作る際にはその強度の弱さを補うために土台を厚く設計します。しかし、これが多くの場合で違和感となって現れ、食べ物の温度や感触などが伝わりづらくなるのです。
一方金属床義歯ではどうでしょうか。これはその名前の通り、入れ歯の土台に金属を用いた手法で、「コバルトクロム合金」などがよく使用されています。このような土台に金属を使用するメリットは非常に軽量であるという点です。もちろん素材自体はプラスッチクの方が軽いですが、先ほど述べたようにプラスッチクはその耐久性の脆さを補うために非常に厚い設計が必要です。
しかし、金属では薄い土台でも十分な強度を発揮するので、結果的にプラスッチクのものよりも非常に軽量で違和感無く装着することが出来るのです。
密着感にも優れており、ほぼ気にすること無く会話や食事を楽しむことが出来るようになります。
金属床義歯の種類
金属の土台を用いた入れ歯は耐久性や軽量性、また熱伝導率の良さから食べ物の温度を自然に感じることが出来るなど、多くのメリットがあります。
しかし、一般的によく利用されるプラスッチク製の土台のものと違い、保険が適用されないので手術費用は非常に高額になってしまいます。
高価なものではありますが、日常生活に大きな変化をもたらす重要な治療です。食事の際の違和感などはQOlに大きく影響を与えるでしょう。妥協せずに素材を選ぶことが出来るように、ここでは入れ歯に用いられる種類についてお伝えします。
土台では主に「コバルトクロム」「チタン」「白金加金」などが使用されます。先ほど金属の土台は高額になると申し上げましたが、これらの選び方でもかなり費用を抑えることが出来るので非常に重要です。
これら3つの中で最も安価なものがコバルトクロムです。アレルギーも少なく安全なことから比較的範囲の広い方々に利用されています。
白金やチタンは素材自体が高価なものなので、やはり手術費用も高くなりがちです。しかし、チタンは軽量で丈夫なためより違和感の無い入れ歯を造ることが出来ます。白金は加工が容易なので、フィット感が非常に高いものを造ることが出来ます。
このように一口に素材選びといっても、選ぶ金属によって値段や機能性は様々です。ぜひ一度当医院にご相談下さい。
金属床義歯の注意点
入れ歯の土台部分を金属にすると、非常に質の高い入れ歯を造ることが出来るので、人気の施術になっています。
違和感なく食べ物を噛むことが出来たり、食べ物の温度を直に感じることが出来るなど、入れ歯をお使いの方々には非常に魅力的な要素が詰まっています。しかし、全ての方にこれらが適している訳ではありません。ここでは土台を選びの際に注意していただきたい項目をいくつかお伝えします。
一番重要なのがアレルギーです。カウンセリングの際に医師から必ず説明があると思いますが、金属アレルギーの方は絶対に金属床の土台を造ることは出来ません。必ず施術を行う前に血液検査などでご自身のアレルギーを把握しておいてください。
さらに稀有な例ですが、アレルギーは大丈夫でもその中の「プラチナ(白金加金)」にアレルギーをお持ちの方がいらっしゃいます。白金加金は粘膜との適合性も優秀で、加工もしやすいことから非常に人気の高い素材になっているのですが、プラチナアレルギーの方は一切使用できません。
ご自身が金属アレルギーでは無いと思っていても、プラチナに対してはアレルギーが生じるかもしれないので、必ず事前に精密な検査を受けるようにしてください。
また注意が必要なのは保険が適用されないということです。プラスッチクの土台では医療目的と見なされるので保険も医療費控除も適用されますが、金属は今のところ美容目的とみなされてしまうので、保険が使用できません。
このようにいくつか注意点はありますが、魅力的な素材なのでぜひご検討下さい。