入れ歯を装着するためには、金属やプラスッチクの床を埋め込まなければなりません。そしてさらにこれを歯に装着するための「クラスプ」と呼ばれる留め具を使用します。このクラスプには主に金属などが使用されるのですが、最近ではこのクラスプを使用しないノンクラスプタイプの入れ歯も多くなってきています。

ノンクラスプとは文字通り留め具が無いタイプのものです。具体的には義歯床の幅を広げ、歯茎を広く覆う事で固定する手法です。これにより重要なパーツであった留め具を使わなくてもよくなりました。

これは見た目では中々気づかれないので、美容面で非常に優れた手法です。まだまだ若いシニアの方などには広く受け入れられています。また通常のもののようにズレたりすることも少ないので、快適に食事や会話を楽しむことが出来るのも特徴です。

入れ歯では非常に重要なフィット感も抜群なので、多くの方は違和感なく使用を継続出来ています。また残っている歯へのダメージも少ないので、安心して施術することが出来ます。

金属の留め具を使用しないノンクラスプタイプの入れ歯は見た目上気づかれにくいなどという理由から非常に人気です。

魅力的な治療ですが、いくつか注意しなければならないことがあります。それは保険が適用されないので自費診療になるということです。一般的な入れ歯ではプラスッチクの床を作り、そこに金属の留め具を取り付けるという流れで施術されます。しかし、ノンクラスプでは留め具を使わずに、見た目を維持したまま施術を完了出来ます。

ノンクラスプの入れ歯のデメリットとしては、素材の寿命が短いということが挙げられます。およそ2～3年での交換が必要になるので、その際にはまた作りなおしてもらう必要があります。

さらにこれらは部分的な補修や補間が難しいので、もし一部分で破損してしまえば全て取り替える必要があります。そのためメンテナンスには十分な注意が必要になります。

さらにこのメンテナンスのやり方も重要で、素材が特殊な樹脂で出来ているため一般的な洗浄剤では溶け出してしまう可能性があります。そのため洗浄の際には専用の液剤を必要としますので、注意が必要です。

このようにデメリットも多く挙げられますが、見た目上ほとんど入れ歯と分からないなどメリットも魅力的です。さらに口の中に残る独特の違和感も無く、日常で不便になることはほとんどありません。

やはりそれらのメリットが非常に大きいので、今でも多くの人に選ばれている施術方法です。ご検討の際にはメリットだけでなくデメリットも十分に見越した上で素材をお選び下さい。